2015年10月11日日曜日

第一号報告書を公開します



こんにちは。
南アフリカに来て3ヶ月が経ちました。派遣期間の8分の1が終了したことになります。早いですねー。

3ヶ月が経過したということで、JICAに最初の活動報告書を提出しました。今回はその第1号報告書の内容を公開します。この活動報告書を通して、少しでも青年海外協力隊のこと、南アフリカことを知って頂けたらなと思います。

【第1号報告書の目次】
第1号報告書で報告することは以下の5項目とその要約です。

1.活動地域及び配属先の概要
2.ボランティアが所属する部局の概要
3.配属先のニーズ
4.活動計画準備状況
5.受入国の印象

またこれらの項目に加えてJICAへの要望・提案も行うことができます。
また、今回は最初の報告書ということで、配属先や任地の状況を報告するため、関係者リストや日常生活圏略図、任地交通事情調査も提出しました。

それでは、私の第1号報告書を公開します。

【第1号報告書】
(1)活動地域及び配属先の概要
 配属先は南アフリカ北部に位置するリンポポ州農業省傘下の農業普及指導サービスを実施するモディモッレ農業センターである。異なる専門(野菜栽培、家畜飼育、家畜健康管理、農業経済支援)を持つ農業普及員が農家を訪問する巡回指導やセンターでの講習会を通じて農家の能力向上に取り組んでいる。政府が無料配布している種子や肥料の農家への配布や、狂犬病予防注射のキャンペーン等も行っている。JICA民間連携協力準備調査(BOPビジネス連携促進)実施日系企業による講習会実施実績がある。
 活動地域はセンターから15km程度の農家もあれば、100km以上離れた農家も管轄している。州政府への定期報告やワークショップに参加するため、州都であるポロクワネも定期的に訪問している。配属先の職員は19名であり、大卒の3040代男女が中心である。リンポポ州は南アフリカの北部に位置するため、夏季は暑くなると言われている。そのため、夏季の暑さ対策は必要となると考えられる。

(2)ボランティアが所属する部局の概要
 農業センターには大きく分けて以下の4つの部門がある。①野菜栽培支援部門、②家畜飼育支援部門、③家畜健康管理支援部門、④経済支援部門。私はこれまでの経歴を勘案し、経済支援部門で働いている。部局には私を除いて男性1名、女性3名が所属している。
 経済支援部門の業務は大きく2つに分けられる。1つ目がビジネスプランの作成である。農家が収入を増やすためには農業設備の導入が不可欠であるが、農家には設備購入のための資金が不足している。そのため、政府から援助を受けるか銀行から資金を借り入れる必要があるが、その際に必要なビジネスプランを当センターで作成している。2つ目は新規販売先の紹介である。農家が現在販売していないマーケットを紹介することで、農家の収入向上に繋げる。
 南アフリカには政府が作成した農業や農業経済、マーケット等に関する情報が記載されたウェブページがあり、活動に役立てることができる。

(3)配属先のニーズ
 私が初代ボランティアということもあり、配属先もどのようにボランティアを活用しようか思案中であるように思える。農家に対して何かをすることをボランティアである私には期待しているが、具体的なニーズ・活動計画は現状では把握できない。今後私が立案する活動方針を叩き台に配属先と話し合いの場を持つことでニーズのすり合わせをしていきたい。
 当初の要望調査票の活動内容には支援計画の立案や州政府への定期報告等現在私が行っている業務が記載されており、当初要請時からのニーズの変更は見られない。

(4)活動計画準備状況
 任地に赴任後の2ヶ月は配属先の業務を把握することに集中した。8月は巡回指導員に同行してプロジェクトサイトの農家を訪問した。9月は経済支援担当が作成するビジネスプランを作成した。州政府への定期報告や、ビジネスプランのプレゼンテーションにも同行・参加した。これらのことを通じて、配属先職員の業務内容や問題点等が掴めてきた。また、上述の農業についてまとめられたウェブサイトを活用し、マーケットや農作物の販売価格等に関する情報収集を行った。
 今後は農民に訪問する機会を増やし、聞き取り調査を行っていきたい。農民との対話によって
農民が必要としているもの・ことを把握し、その上で具体的な活動方針・計画を立てていきたい。また、農業に関する知識(農作物スケジュール、市場価格、適した気候条件等)も不足しているので、インターネットや教本を利用して補っていきたい。

(5)受入国の印象
 南アフリカは治安が悪いことで有名であるが、首都に赴任して最初に驚いたことが昼間でも街中を歩いている人がほとんどいないことである。治安の悪さが原因なのであろうが、首都の街並みは西洋風で美しく、それを出歩けないのはとても惜しいと感じた(任地は安全であると感じる)。
 同国は人種差別という重大な歴史を抱える国である。21年前にアパルトヘイトは廃止され、現在は差別はなくなっている。しかし、白人と黒人の間には所得、教育等様々な格差が存在するし、白人と黒人が仕事以外の私生活で同じ時間を共にしていることを見たことがない。長年続いたアパルトヘイトが本当の意味で終わるにはまだ時間がかかるのだろうと考えるのと同時に、未だに和解できていないのだと考えるとこの国の将来が不安にもなる。
 また同国には公用語が11つもあり、地域・民族によって話す言語が異なる。当初母国語以外の人と話す際は英語を使うと聞いていたが、実際に赴任してみると南ア人は5~8語話せる人が数多くいる。しかも母国語以外はただ聞いているだけで話せるようになったという。南ア人の言語能力の高さには驚かされるばかりである。

≪要約≫
 配属先は南アフリカ北部に位置するリンポポ州農業省傘下の農業普及指導サービスを実施するモディモッレ農業センターである。異なる専門を持つ農業普及員が農家を訪問する巡回指導やセンターでの講習会を通じて農家の能力向上に取り組んでいる。活動地域はセンターから100km以上離れた農家も管轄しており、州都ポロクワネにも定期的に訪問している。配属先の職員は19名であり、大卒の3040代男女が中心である。
 農業センターではこれまでの経歴を勘案し、経済支援部門で働いている。経済支援部門の業務は大きく2つに分けられ、1つ目がビジネスプランの作成、2つ目は新規販売先の紹介である。農業設備購入に係る資金調達やマーケットの新規開拓で農家の収入向上に繋げる。
 任地に赴任後の2ヶ月は配属先の業務を把握することに集中した。巡回指導員に同行しプロジェクトサイトの訪問、ビジネスプランの作成、州政府への定期報告の同行や、ビジネスプランのプレゼンテーションへの参加を行った。今後は農家に訪問する機会を増やし、聞き取り調査を行っていきたい。農家が必要としているもの・ことを把握し、その上で配属先と話し合い、具体的な活動方針・計画を立てていきたい。
 南アフリカは24年前にアパルトヘイトは廃止されたが、未だに様々な面で白人と黒人の格差があると感じる。アパルトヘイトが本当の意味で終わり格差がなくなるには、まだ時間がかかるようだ。また、南ア人は数多くの公用語を話せる人が数多く、南ア人の言語能力の高さにはとても驚かされる。

【まとめ】
ということで、今回はあまり深い内容は書けませんでした。
配属先のことは大分掴めてきたので、これから3ヶ月程はニーズヒアリングの時期にしていきます。12月までにニーズヒアリングを一通り終えて、年末には何かしら具体的な活動方針を作れればいいなと考えてます。



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